思えば最初から最後まで私の意見が通ることがなかった。
すべては相手のタイミングと気持ち次第。
そんな結婚生活だった。
結婚式だけは、やりたい場所でやらせてくれた。
その代わり、相手の負担がないように、準備はひとりだった。
新婚生活は、相手が愛する田舎。
田舎暮らしが初めてで不安だらけの私の横で、彼はウキウキしていた。
免許もペーパーゴールドの私。
毎日YouTubeで駐車の仕方を見てイメトレして買い物に出かけた。
夕方になれば、風向きで養鶏場のにおいが漂う。
雨上がりには、玄関前の水たまりにハエがたかり、地獄絵図。
真冬の雪が降る日にも、玄関にはダンゴムシに似た虫がうろついていた。
極めつけは、上の階の騒音。
何度お願いしても、やむことはなかった。
私にとって、なにひとつとして癒しのない生活。
つまらない顔をする私を、夫は毎日責め続けた。
私は限界を超えていた。
別れは相手からだった。
今思えば、それは私にとって人生最大の幸運だった。
今私は苦しい生活を越えて
自分らしさを取り戻しつつある。
「好き」が周りに増えて納得のいく環境で、
自由に生きている。
最悪の結婚。
その経験がなければ
今、ここまで幸せを感じることはなかっただろう。
だから
相手に感謝。


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