電話の向こう側② ~離婚への言及(義母視点)~

息子から、離婚がしたいと連絡があった。

私にずっと優しい息子がそんなことを言うのだから、よほどのことがあったのだろう。

息子に電話をし、確認をした。

「あなた、無理してない?」

「ちゃんと大切にされてるの?」

「夫婦のスキンシップは取ってるの?」

そう聞く私に、息子はぽつりぽつりと消え入りそうな声で答えた。

小さくかすれた声が返ってくる。

昔から、自分よりも周りを優先して我慢強い息子。

電話口の息子は、彼女の気の強さに限界まで耐えていたことを物語っていた。

結婚式の直前、別れたいと言った息子を止めた。

それから結婚式を無事に終えて妊活の末、授かったと聞いたときは「うまく生活をしている」と思っていた。

一体何が起きたのだろう。

分からないまま、気が付けば嫁に電話をしていた。

何を言ったのかは正直あまり覚えていない。

でも、やっぱり彼女は気が強くて言葉の武器を持っている。

優しい息子がいつも折れていたのだろう。

離婚を止めるために電話をしたはずが、離婚した方がいいと確信するためのものとなった。

優しい息子は、自分では何も言うことができないかもしれない。

だから私が、背中を押す言葉をかけてあげなくては。

「あなたの人生なんだから、あなたが笑顔で生きることができる道を選びなさい。」

息子へはそう言った。

あの子は、兄弟の中でもいちばんやさしくて、人一倍人の顔色をうかがう子だった。

優しい人間は、強い人間に利用される。

私が生きているうちは、誰よりも先に気がついてあげて守らなくては。

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出来事と思考の断片を言葉にしている。
実体験をもとにした物語を連載中。

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