離婚へのカウントダウン vol.2 ―里帰り出産から帰宅―

vol.1のあらすじ

産院退院の日、痙攣した息子を救急病院で受診。緊急入院となり約1か月の病院で過ごす。

ようやく退院して、家族で過ごせると思っていた矢先に離婚を突き付けられる。

詳しくは、ぜひvol.1からご覧ください◎

離婚を突き付けられて静まり返った車内は、ほどなくして実家に到着した。

毎日のように私のご飯を差し入れしてくれていた両親。

退院した日はちょうど私の誕生日も近く、完全にお祝いムード。

涙をおさえて食べたケーキは、のどを通らずお茶で流し込んだ。


夜、夫と2人になり今後のことをもう一度話した。

別れるにしても、やることはいくらでもあった。

結局その日のうちに答えを出すことはできず、翌日に当初の予定通り夫だけ自宅へ帰宅した。

それから約1週間後、夫がまた実家へ迎えに来てくれて自宅へ戻った。子どもの1か月検診や予防接種の書類の受け取りなど、自宅の自治体でやらなくてはならない事務処理もたくさんある。


自宅に帰る車内も静まり返る中、私は言葉をつないで話し始めた。

「今離婚をするのは、賛成できない。子育ては初めてだし不安なことが多い。子どもにとっても、父親が必要なのでは?仕事だってすぐにフルタイムでできるわけでもないから経済的にも不安定。心も体も経済的にも不安定な中、どれかひとつでも整えてからでないと…」

なにを言っても何も返事は返ってこない。

関係が終わっていることはわかっていた。

「いつ離婚する?」とぽつりというと「待ってました」といわんばかりに目をぎらつかせながら瞬時に返事がきた。

「なんだこいつ。」そう思いながら、また言葉を失った。


途中、サービスエリアで職場の人へお土産を買うと言い車を降りた夫。

私はトイレを済ませて車内に戻り、母が持たせてくれたお弁当を広げてまた涙がこみ上げた。のどを通らないし、おなかも不思議なほどすかない。「おなかがすいてないから」とそのお弁当を夫に渡すと、数分でそれを平らげ、車を発進させた。

離婚前提で話をすすめないと会話も成立しない車内で、高速道路の殺風景を見ながら「ひとりでどう子どもを育てていこう」それだけをまた考え始めた。

でも、どれだけ考えても納得がいかなかった。

そのことを伝えずにはいられなかった。

またぽつりと話し始めた私に

「俺が我慢すればーーーー!!!」

と激昂して

80kmを走る車のハンドルに頭を打ち付け始めた。

死を覚悟しながら、私は発言することをやめた。


それから数分後、静かな車内で私は鼻歌を歌い始めた。

私には昔から、ストレスがマックスになると鼻歌を歌うというクセがある。

その鼻歌を聞き私がまた小言を言い始めたと思ったのか、夫はまた握っているハンドルに頭を打ち付け始めた。

「ぇえ…ご、ごめん。歌ってるだけだよ。私、落ち着いたり気を紛らわせるために鼻歌歌うクセがあるの」

自分でも驚くほど冷静にそう伝えると、落ち着きを取り戻した彼は「ごめん」とつぶやいた。

運転中にこれ以上刺激してはいけないと思い、声も音も発さないようにチャイルドシートで眠る息子をたまに抱きながら過ごして無事に帰宅した。


車に乗せた荷物は必要最低限だけ取り出し、明日おろすことにした。

夫は次の日仕事。なぜか同じ部屋で寝たそうにする夫に「子どもが泣いて起こしてしまっては悪いから」と言って別々の部屋で寝ることを伝えると、「次の日が休みの時は一緒に寝よう」と背中を丸めて寝室へ入った。

この先どうなるのか不安を抱えながら、ミルクを飲んで眠る息子の健やかさに癒されて眠りについた。

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この記事を書いた人

出来事と思考の断片を言葉にしている。
実体験をもとにした物語を連載中。

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